【ポケモン剣盾】ガラル文字 その謎を追う【中間報告】

こんにちは、ひととき(@sera_8810)です。

 

ポケットモンスターシリーズの完全新作という形で発売されたソード&シールドが11月15日にリリースされ、3週間を迎えようとしています。

ゲーム内のコンテンツも研究が進み、効率化や攻略方法が網羅され始めています。

しかしながらその間、ゲーム内に登場する言語である”ガラル文字”の解読には誰一人として、その到達点に至る者がありませんでした。

ではなぜ未だにガラル文字を解読することができないのか。それをご説明します。

 

・その「謎」とは

そもそもというもの、ガラル文字を解読しようと試みた人間は自分だけではありませんでした。

ポスター・ユニフォーム・服装・広告・・・ゲームを進めるに当たって、嫌でも目に入って来てしまうと言っても良いくらいです。時には読めそうで読めないものもあります。

するとこう思うわけです。ガラル文字をアルファベットに対訳すれば意味のある文字列になるのではないだろうか。

そうして皆、始めはガラル文字を読み解こう、と思い立ち資料を集め始めるのですが・・・ガラル文字解読の最大にして一番のポイントと考えられる障壁が立ちはだかります。

 

それは”文字1つあたりに複数の使い方があること”です。

 

例をあげるとするならば、ローズ委員長やローズカンパニーのロゴに使われているこの文字列。

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しかしこちらではこのように用いられている(ハロンタウンの看板)

 

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わかりやすく言うならばAという文字に対して「エイ」「ア」と読むように、ひとつのガラル文字に対して2つより多い複数の読み方があるように捉えられる(ものによっては10種類くらいの物も)、ということです。

 

・二つ目の謎

うーん、ガラル文字にはまったく困ったものです。

直感的に読めなくするように仕向けている印象を強く受けますね。

 

さてさて。二つ目の謎についてご紹介しましょう。

これは仮にガラル文字がアルファベットに当てはまるとしたときのお話。

いくつかの名前、場所などから対訳表を作って他の字を読んでみましょう、というものですね。

この方法を取ったときにまたもや壁にぶち当たります。

それが”同じ文字列中の同じ文字に違う文字をあてがうこと”です。

例えば英語で"general"という綴りがあったとしましょう。小文字の”e”が2回、単語内に存在していますね。

ところがどっこい、ガラル文字の場合この”e”に当てはまるものが別のものになっているケースが多々見られるのです。(自分で探してみてください)

 

・謎が謎を呼ぶ

しかしながら、こうも考えることができました。

あらゆるパターンをしらみつぶしに調べていけば、読み方がわかってしまうのではないか、と。

ですがガラル文字は、現在確認できているだけでも42種類以上が存在しています。

数十種類に及ぶ文字全てにおいて、ひとつひとつの文字が十数種類にもなることがある。

”一文字ずつ対訳する”というこの発想は、明らかに言語として欠陥があると考えるべきだと結論を出しました。今までGAME FREAKがイッシュ文字やアンノーン文字をゲーム内で出してきたことを考えると途端に馬鹿らしくなったわけです。

 

ならば、もっと違う方法でアプローチしなければ解読は不可能ではないか。

自分の見識だけでは到底及ばないことに気づいた事から、他にもガラル文字を調べている方々のツイートに、何か着想を得られないかサーチをかけました。

 

そこでとある方(以下A氏)のツイートを発見。(個人のアカウントに関与するため、リンクは貼りません)

 

その内容は”ガラル文字はとある暗号的手法を用いている”のではないかというものでした。

いままでのポケットモンスター作品から例を取り上げると、イッシュ地方の海底に沈む古代遺跡には「イッシュ文字」と称される独自の文字が使われていました。

イッシュ文字自体の解読方法は”シーザー暗号”と呼ばれるもので、本来の文章を決まった文字だけずらすことによって暗号文を作り上げ、それを古代文字に置き換えることで

解読の難易度を上げていました。

 

その暗号を作る何かしらのアルゴリズムがガラル文字にも使われている可能性がある。

なんだか楽しくなってしまいますね。

 

・仮説

上記で述べたように、ガラル文字には”文字1つあたりに複数の使い方があること”がその特性として現れています。

私のない知恵を振り絞っても何も出ませんでした。しかしA氏のとある呟きが、1つの光明となります。

それは”ガラル文字=ヴィジュネル暗号”説。

(ヴィジュネル暗号とはヴィジュネル方陣と鍵文字を用いて、文章を暗号化する手法。この後の話にも関わってくるためWikiとか読んでください。詳しい説明は省きます。)

 

そしてガラル文字の特性を暗号化による何らかの傾向だと仮定すると、ヴィジュネル暗号であるならば”文字1つあたりに複数の使い方があること”に説明をつけられます。

鍵文字によって一定の周期で暗号化するならば、”同じ文字列中の同じ文字に違う文字をあてがうこと”にも説明がつけられそうです。

この二つの特性は鍵文字の周期によってもたらされているものではないかと考えることができます。

この手法ならなんだかいけそう!

 

・解けると思ったか?

これはいけるんじゃないか!?と思われたヴィジュネル暗号でしたが、1つだけ問題点がありました。

”文字数が多すぎること”です。

先ほど簡単に説明したとおり、ヴィジュネル暗号ではヴィジュネル方陣と鍵文字によって原文を暗号化します。ヴィジュネル方陣は簡単に言ってしまえばA~Zまでを並べたただの正方行列です。つまり使用される文字数は26文字。

ところがどっこい。ガラル文字は42種類以上存在している。こりゃどういうわけだ・・・?

 

ここでA氏が先に結論を出していたものに、僕も追いつくわけですが

ヴィジュネル暗号だと仮定した場合、”ガラル文字には大文字と小文字がある”

 

コレがものすごく困った。そもそも普段アルファベットでは大文字と小文字の区別をした状態で教えられているわけですが、まずは大文字と小文字の区別から始めなければいけない。

何が大変かと申しますと、ゲーム内に登場するガラル文字で書かれた文字列を全て掻き集めて調べなければなりません。

何文字目に使われているのかによって、そのガラル文字を大文字なのか小文字なのかを判断しなければ分からないのです。さすがに絶賛休職中で暇人の僕も折れました。

 

・今後の方針

今後の方針としては

①ゲーム内のガラル文字で書かれたものを全てサンプリングする

②大文字・小文字の選定

③長文や文字列の頻度分析・鍵文字の割り出し

のようになると思われます。

正直言って時間があっても猫の手を借りたいくらいに調べることが山積みです。

実際に解読を試みている人間が少ないのも理由の1つ。

 

 

この手法に道筋をつけ、心くじけずに調査を進めているA氏に尊敬の念を込めて。

(なんかひらめいたら是非とも知恵をお貸しください。→@sera_8810)